ペラルゴニウム・トリステは、南アフリカ原産の塊根植物であり、美しい葉と個性的なフォルムを持つのが特徴です。特に夜間に香る花を咲かせることで知られ、多くの塊根植物愛好家に親しまれています。葉は繊細でシダのような形をしており、成長期には鮮やかな緑色が映えます。一方で、休眠期には地上部が枯れ、塊根のみが残るという特徴を持っています。この独特のライフサイクルが、トリステの魅力の一つといえるでしょう。

このトリステは、高さ135mm、葉茎の長さは210mmと、コンパクトながらも伸びやかな姿が印象的です。塊根部分は長年の成長を感じさせるゴツゴツとした質感を持ち、まるで大地の力を蓄えたかのような存在感を放っています。そこから繊細な葉がゆるやかな弧を描くように伸びており、まるで空間に浮かぶような美しさを感じさせます。特に、葉茎の表面にびっしりと生えた細かな毛が光を受け、幻想的な雰囲気を演出しています

このトリステを植えている鉢は、「Suzume no Atelier」の作品で、独特のデザインが目を引きます。鉢の上部はナチュラルな白い釉薬が施されており、シンプルながらも上品な印象を与えます。一方、下部は焼き締めによる荒々しい黒の質感が残されており、自然の風合いを活かしたデザインになっています。この対照的な質感のコントラストが、トリステのワイルドな魅力とよく調和しています。鉢のフォルムはやや広がりのある形状で、植物の繊細な葉茎が映えるようにデザインされています。

今回のペラルゴニウム・トリステは、塊根の力強さと繊細な葉のコントラストが特徴的で、成長過程の面白さを感じさせる姿をしています。長く伸びた葉茎や、光に照らされる細かな毛の質感が際立ち、トリステ特有の魅力をよく表しています。
鉢はナチュラルな色合いと荒々しい質感の対比が印象的で、植物の個性を引き立てています。シンプルながらも落ち着いた雰囲気があり、トリステのワイルドなフォルムとも調和しています。全体的に、植物と鉢がそれぞれの特徴を活かしながら共存している印象を受けます。これからの成長によって、どのように変化していくのか楽しみな一鉢です。